ジペプチド型リードスルー剤ネガマイシンを基盤とする筋ジストロフィー治療薬の創製

デュシェンヌ型筋ジストロフィーをはじめとする遺伝性疾患の約20%は、ナンセンス変異により発症することが知られています。ナンセンス変異により、構造遺伝子中に未熟終止コドン(Premature Termination Codon; PTC)が挿入されると、翻訳がPTCで停止し、機能をもたない不完全長タンパク質が生成してしまいます(下図B)。近年、PTCを読み飛ばす(リードスルー)ことにより、完全長のタンパク質を生成させる化合物(リードスルー剤)がナンセンス変異型遺伝性疾患の新たな治療戦略として注目を集めています(下図C)。

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当研究室では、1970年に放線菌(Streptomyces purpeofuscus)から単離同定されたジペプチド型抗生物質(+)-ネガマイシンの分子構造に着目し、リードスルー剤の創薬研究を行っています。これまでの研究により、複数の高活性な誘導体の獲得に成功しています。

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ネガマイシンによるナンセンス変異読み飛ばし(リードスルー)機構の解明

ネガマイシンのリードスルー作用に関わる標的分子および結合部位は未だ明らかとなっていません。そこで当研究室では、ネガマイシンの標的分子を明らかとするための分子プローブの開発も行っています。